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Rev. Don Van Antwerpen

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2024年12月24日

Unfinished Community教会 クリスマスイブ礼拝

ヴァンアントワペン ドナルド牧師




耳を澄ませてみてください。

 

聴こえますか?何か感じませんか?

 

今この瞬間私たちがいる場所に何かが存在していると私は思うのです。それはまるで曲の最後の音がまだ耳に残っているような、曲は終わったけれども何かが残っているようなそんな感覚です。


私は昔ミュージシャンを目指したことがありました。牧師になるずっと前のことです。その頃は吹奏楽やオーケストラ、小編成のアンサンブルや合唱団で演奏をしていました。色々な種類の楽器を演奏し、さまざまなスタイルやジャンルの音楽を演奏し、時には指揮を取ったこともありました。演奏が終わった直後、聴衆が一呼吸おき、息を吐き出し、聴いたばかりの音楽に大喝采の拍手で応えるその前に、一瞬ミュージックホールは静寂に包まれる瞬間があります。とても短い瞬間のことです。


最後の演奏の一音と観客の拍手の間、つまり演奏は終わったのですが、まだ誰もその素晴らしさを完全に理解していない瞬間です。それはとても神聖で、魔法のような時に感じられます。


その瞬間はまさに日の出でありながら、日没でもあるような、無限の可能性を秘めた瞬間のように感じるのです。


そんな瞬間を抱く時、そんな瞬間を抱く空間において、神様は私たちに出会うためにやって来られました。私たちは神様が私たちと共におられることを迎え入れる、そんな奇跡的な瞬間の証人としてここに集められているのです。


神様は栄光と威厳をもって、私たちの世界に入ることを望みませんでした。大々的なファンファーレとトランペットを鳴り響かせながら、遥か高い空から、炎に包まれながら、自身の存在を見せつけるために現れることを望んだわけでもありません。私たちの視覚に訴えて来られることを望みはしなかったのです。神様はヴァイオリン奏者が技巧の限りを尽くして奏でる高らかなソロ演奏の瞬間に現れるのでもなく、あるいは優れた金管楽器奏者が楽器を自信満々に吹き鳴らす中で、私たちの前に現れることを選ばれませんでした。神様は、曲のクライマックスで、曲の一番の見せ場で、その威厳を大胆に宣言するために、私たちの元にやってきたわけでもありません。


そうではないのです。


すべてが静まり返り、すべての奏者が自分達のパートを演奏し終え、歌の音符の響きが終わるその時。誰にもできることがなくなり、他にすることがなくなる時。聴く者も、演奏する者も座って耳を傾けることしかできないその時。

神様はそのような瞬間を通して私たちのところに来られます。私たちの神様はそういうお方なのです。

 

私たちの神様は、天井の高いコンサートホールに現れたり、金色の玉座に座ったままの神様ではありません。私たちの神様は、お金持ちや、特権階級の人々だけの神様でもなければ、そのような人々を優先する神様でもありません。私たちの神様は、貧しい人々が苦しみ、飢え続ける中、王様や大統領や首相と共に歩むために、皇帝やビジネスで成功を納めた実業家たちと食事をしたりするため来られた方ではないのです。

 

そうではないのです。


私たちの神様は限られた空間や瞬間を超えて来られる方なのです。疎外されている者の神。孤独な者の神。追放された者の神。寒さに凍える者の神、苦しむ者の神。十分なものを持たない者の神。「十分」という意味がわからずにいる者の神様なのです。

 

私たちの神様は、権力者が見せつける威厳、裕福な人々が住む暖かく広い豪華な家、そんな家に置かれる寝心地の良いベビーベッドと暖かい毛布に包まれることを選びませんでした。神様が私たちと共におられることを選んだ場所、共にいることを選ばれた空間それは、10代の未婚の母親と、混乱しながらも献身的な彼女を支える婚約者、世の中からは見放されながらも、神様は自分達を見捨てないと信じ、神様が何をされようとしているのかを確かめるために集まった移民が多く集う、動物たちがいる納屋。そうです、そこに、そんな状況にある者が慎ましく集うその場所に神様は来られたのです。

 

今夜私たちは、このようにして私たちの元に来てくださったこの神様をあがめます。この暗い世の中において多くの者や、多くの人が私たちを分断しようとしています。しかし、私たちの間にある隔たりや違い、それが地理的な言語的な時間的なものであったとしても、私たちは今ここで、共に集うことを選び、私たち一人一人と共におられることを選んでくださった神様への畏敬と驚きを、コンサートホールでの最後の素晴らしい演奏が終わった時のように、静寂の中で味わっているのです。

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